巻頭言
てんかん用語の国際統一に想う
和田 豊治
1
1国立武蔵療養所
pp.2-3
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202258
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かねてから医語の国際的統一を目ざしていた世界保健機関(WHO)が,その一環として昨年ようやく“Dictionary of Epilepsy”を刊行した。これは約700に及ぶてんかんに関する用語,とくに臨床面のそれをほとんど網羅し,おのおのの定義を明記するとともに解説も加え,同義ないし類縁の用語もそれぞれ載せて系統的に位置づけをした用語典であり,いってみれば在来のてんかん用語の概念を現在のてんかん学の立場から俯瞰して整理したものである。編集にはフランスのH. Gastaut教授が精力的にあたり,世界16カ国から選ばれたてんかん学のエキスパート18人のWHOてんかん用語委員会が共編という形をとっているが,その内容を精神科医としての大方ははたしてどのように受けとめておられることであろうか。
ところで筆者は東北大学教授在任中どうした風の吹きまわしか,上記の用語委員会(1966〜1968)の一員として参加させられたが,以下その立場から内容の論評を避けて所感若干を述べてみたいと思う。
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