特集 性暴力被害者の支援—看護婦だからできること
〔Topics・4〕NPO法人「女性の安全と健康のための支援教育センター」のめざすもの
三井 富美代
1
1女性の安全と健康のための支援教育センター
pp.1035
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903854
- 有料閲覧
- 文献概要
- サイト内被引用
カナダの女性たちに学ぶ
「長い長い沈黙の時間が終わりを告げようとしています.性暴力被害にあった女性たちが発言し,行動する状況があちこちで生まれはじめました.彼女たちを支援する草の根の女性たちの活動も各地で始まっています.性暴力に対する女性たちの怒りの波がうねりだしたのです」.
この呼びかけのことばとともに,「女性の安全と健康のための支援教育センター」(以下,支援教育センター)はスタートしました.集まったのは,長年地道に“女性に対する暴力”の問題に取り組み被害者支援に力を尽くしてきた草の根の女性,そして被害当事者であるサバイバーです.誰もが痛切に感じてきたのは,いまだ日本では女性は経済的社会的に低い位置におかれ,そのためにさまざまなかたちでの人権侵害が絶えないこと,医療・司法・福祉など援助にかかわる専門職の中に被害当事者に対する偏見をもつ人が多く二次被害を及ぼしがちなこと,当事者に必要な支援を迅速に的確に提供する総合的システムがないこと,などです.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.