特集 性暴力被害者の支援—看護婦だからできること
〔Topics・3〕DVを疑う症状・サイン
甲村 弘子
1
1大阪樟蔭女子大学人間科学部
pp.1034
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903853
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DV(ドメスティックバイオレンス)とは
DVとは,夫や恋人など親しい関係の男性から女性が受ける暴力のことをいう.これには身体的暴力(殴る,蹴る,首をしめる,刃物をつきつけるなど)ばかりでなく,性的暴力(性交渉の強制,避妊に協力しない,中絶を強要するなど),心理的暴力(ばかにする,ののしる,個人の人格や女性を傷つける言葉を使うなど),経済的暴力(生活費を入れない,お金をすべて管理する,浪費など),社会的隔離(妻の行動を監視し,外部との関係を切らせる)も含む.
身体的虐待の場合は救急外来を受診するが,「私は暴力の被害者です」と言って受診する女性はほとんどいない.「階段から落ちて骨折した」などと言う.また,うつや食欲不振,疼痛などの問題も,「なぜかわからないが,うつ状態で食欲がない」「慢性的な痛みがある」などと訴える.
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