現場から ケースレポート
精神科病棟における腹臥位療法適用による効果
古市 磨利
1
,
村木 千恵
1
1大阪赤十字病院
pp.584-586
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903762
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●はじめに
近年,有働によって提唱されている「腹臥位療法」が注目を集め,広く施行されるようになってきている1).この腹臥位療法とは,寝たきり状態の高齢患者,脳血管障害を対象とした「ベッドサイド・リハ」とされている.
当精神科病棟において,入院後寝たきり状態に陥った高齢患者に,腹臥位療法“バリエーション4”1)を施行した.施行後,身体機能面,精神機能面において期待されるべき結果を得ることができたが,肺炎などの併発により,中断となった.その後,一般状態の安定は得られたものの,終末期宣言を受けるまでに至った患者に対し,「生きたヒトとしての生活を最大限に生かす全人間型アプローチ」を目的として,腹臥位療法を施行することとなった.方法を“バリエーション5”1)に変更し,再び施行した結果,患者は退院し,在宅療養を受けるという好結果を得ることができたので,ここに報告する.
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