特集 —新世紀前夜—いまこそ21世紀の看護を語ろう
【私にとっての看護の3大課題】
1.患者ニーズの把握 2.ケアのマネジメント 3.看護情報の収集分析
星野 桂子
1
1国立医療・病院管理研究所医療政策研究部
キーワード:
21世紀の看護
,
看護のバランス感覚
Keyword:
21世紀の看護
,
看護のバランス感覚
pp.1091-1092
発行日 2000年12月1日
Published Date 2000/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903610
- 有料閲覧
- 文献概要
なぜ重要なのか
これまで,医療界は看護も含めて,「患者にとってよいことは医療の専門家がよいと考えることである」と思いこんできたきらいがある.しかし,患者が高齢で,疾患は慢性で治癒の見込みが薄い場合,患者にとって何がよいことかは,専門家が決められる問題ではなくなっている.患者は長い人生を生きて,それぞれに何が大切かの価値観を培ってきていると考えたほうがよい.ある人は,最先端の医療技術を使って少しでも長く生きたいと思うかもしれないし,ある人は,苦痛を和らげてくれさえすればよいと思うかもしれない.患者自身が考える生き方に沿って,1人ひとりの患者に看護は何ができるのか考えていかなければならない.
一方で,医療資源に限界があることは多くの人々に共通する認識である.現在の医療保険制度では,特殊な場合を除き,患者はかかる費用のことをあまり深刻に考えずに医療を受けられる.しかし,いずれは医療資源の使い方を含めた選択を患者(消費者・利用者)の手にゆだねなければならない.どのタイミングで,どの範囲の医療看護を,費用まで含めた患者の選択にまかせるか,次の世紀の大きな問題になると思う.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.