特集 現代の病める子ども—こころとからだ,そして社会
がんと闘う子どもの悲鳴—再発した青年期の症例を通して
橋野 雅美
1
,
内藤 恵子
1
1大阪府立母子保健総合医療センター3階東病棟
pp.1003-1007
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903587
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はじめに
小児白血病の治療成績は年々向上しているが,死を迎える子どもはまだ多い.子どもを支える家族は,子どもの回復を願い日々子どもを励まし,子どものがんばりに期待する.病気が悪性であるほど,家族は「この子はがんばって必ず治ってくれる」と心から願う.
多くの子どもは,みずからの身体を目にみえない病魔から取り戻すために,そして家族や医療者の期待に応えようと必死にがんばる.しかし,そのがんばりが子どもの疲労を増大させ,限界に達したとき,子どもの心と身体は危機的状況に陥る.
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