特集 現代の病める子ども—こころとからだ,そして社会
入院している幼児期の子どもの「こころのサイン」の意味を探る
平田 美佳
1
1神奈川県立こども医療センター
pp.997-1002
発行日 2000年11月1日
Published Date 2000/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903586
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はじめに
入院している子どもたちは,疾患にともなう身体的苦痛に加え,治療や検査のためにさらに苦痛を体験する機会が重なってくる.また,入院して病院という環境におかれることにより,家族との分離,社会生活との遮断,限られた空間での生活,活動の制限を強いられ,精神的な苦痛も体験している.
入院生活のなかでの出来事を,子どもたちがどのように受け止め,どのように対処しているかについて,子どもたちはさまざまな表現方法により看護婦や親に教えてくれている.特に幼児期の子どもたちは,言語能力が十分でないためそのサインがうまく伝わらないことが多く,見逃されてしまったり,子どものわがままや問題行動としてとらえられ,扱いづらい子どものレッテルを貼られてしまうことも少なくない.
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