フロントライン・2000 音楽療法
体感音響システム—音楽と振動によるリラクセーション
深田 美香
1
,
三瓶 まり
2
,
加藤 圭子
3
1鳥取大学医学部保健学科基礎看護学講座
2鳥取大学医学部保健学科母性・小児家族看護学講座
3鳥取大学医学部保健学科基礎看護学講座
pp.926-929
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903570
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はじめに
音楽は不安な気持ちを鎮めてくれたり,悲しみを包み込んでくれたり,落ち込んでいる気持ちを奮い立たせてくれたり,その時々によって私たちにさまざまなものをもたらしてくれることはよく知られている.医療の場でも広く用いられており,その効果について実証されつつある.外来や手術室,集中治療室などでは,BGMとして心地よい音楽が流れている.
このような環境音楽としての利用とは別に,ある特定の状況や状態に対して治療的効果を目的として音楽を用いる場合,それを音楽療法という.非侵襲的な補助的療法として効果が期待される音楽療法には,歌ったり楽器を演奏したりする能動的なものと,音楽を聴くだけの受動的なものとがある.不安や疼痛の緩和,ストレス緩和およびリラクセーションを目的とした鎮静的な音楽,あるいは,抑鬱症状,活動性の低下に対する刺激を目的とした快活的な音楽など,目的に応じて選曲し,その効果を判断する.
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