フロントライン・2000 HIV看護
沈黙を破って—第13回国際エイズ会議に参加して
堀 成美
1,2
1HIV/AIDS看護研究会
2東京学芸大学大学院
pp.930-935
発行日 2000年10月1日
Published Date 2000/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903571
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‘現実’と向き合う
「痛いとか,つらいとか,苦しいとか,お金がなくなりそうだとか.そういう状況になったら誰だってなんとかしようと思うんだ.そんなの当たり前だ.でも,この病気はそうなる前になんとかしなくちゃいけない.‘現実’はもう十分,目の前にあるじゃないか……」.
これは日本で研修を受けたことがあるというアフリカ地域からの参加者のコメントである.
今回私が参加した第13回国際エイズ会議(開催地;南アフリカ,ダーバン)は,国際社会が共通の認識や努力でとりくむ課題へのコミットメント,自国の課題に対しての明確なビジョンが問われる場でもある.冒頭のコメントは,静かに感染が拡大している日本への警告と,現在HIV感染症の拡大が深刻な社会問題となっている国に対して,日本や私たちが今後どのような取り組みをしていくのかという問いでもある.
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