フロントライン・2000 老人看護
痴呆性老人の入浴中の不穏を低下させる対処方法—アイオワ大学が開発したプロトコール
Andrea S. Schreiner
1
,
守本 とも子
1
,
俵 由美子
1
1広島国際大学保健医療学部看護学科
pp.728-735
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903526
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はじめに
高齢化にともない老人ホームの利用は増加し,同時に痴呆症の入所者の増加も推測される.一般的に痴呆性老人の記憶喪失は重度で,神経系の損傷により進行的に悪化する.この記憶喪失により混乱が生じ,それが不穏にもつながる.さらには,攻撃的行動とよばれる状態に発展する可能性もある.
最近の研究によると,老人ホーム入所中の痴呆性老人の10〜20%が,身体的攻撃として分類される行動面の問題を示している1-3).身体的攻撃行動とは,たたく,蹴る,引っかく,噛むなどであるが,さらに,入所中の痴呆性老人の33%が,ののしりなどの言葉の攻撃的行動を示している3).
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