特集 結核はナースが防ぐ
インフェクションコントロールで結核感染を予防する
大友 陽子
1
1東京女子医科大学病院看護部
pp.122-124
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903398
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はじめに
糖尿病や人工透析を受けている患者など,いわゆるコンプロマイズドホストを多く抱えている病院では,「結核緊急事態宣言」を待つまでもなく,年々外来や入院患者において開放性結核を発病する人がじわじわと増えつつあることを,看護職の方々も身をもって感じておられることと思う.ベッド数1423床の東京女子医大病院にも,結核病床はないが接触者検診を必要とするような結核発病事例は,1998(平成10)年度には13例の発生をみた.
結核に関する正しい知識や適切な対応が不足していると,他の患者への感染だけでなく接触した医療従事者へも感染が拡大し,深刻な集団感染へとつながる.臨床現場まかせの姑息的な処理ではなく,院内のインフェクションコントロールチームが中心となって,組織全体での一環した対策を確立し,患者発生時に速やかに対応できる体制の確保がきわめて重要である.本学のマニュアルを中心に,結核病床を持たない病院での結核感染予防対策についてご紹介したいと思う.
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