連載 延べ1423人で支えた神経ベーチェット患者[3年9か月の在宅ケア]・4
ターミナル期の在宅看護
河野 由起子
1
,
宮川 高一
2
,
佐藤 信子
3
,
田口 千代子
3
,
秋村 純江
4
,
牛込 三和子
4
1立川相互病院
2むさし小金井診療所
3東京都小金井保健所
4東京都神経科学総合研究所
pp.629-634
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900674
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入院の必要性の検討と家族の考え
末期状態とは一般に「難治性の疾患を患い,現在のあらゆる医療技術を駆使しても治癒の見込みがなく,死期が近いと考えられる状態」と捉えられている.本稿の事例では在宅療養開始時点で状態が安定しているとはいえ,体温調節が困難で,無呼吸発作や消化管出血を起こすなど状態が変動し,死に瀕する状態になる可能性がいつもあったことから,すべての期間が末期状態といえる.
Aさんの3年9か月間の在宅療養経過中,病状の変化により,死の危険性を間近に予測される場合や家族や地域の看護態勢が不足する状況に対しては入院という対応がとられ,表1に示すとおりの入院となった.
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