研究と報告
ヘルペス脳炎患者の看護—看護上の各病期でのアプローチ
車谷 ゆみ子
1
,
深堀 千代子
1
,
水江 美香
1
,
西沢 勝江
1
,
飯田 咲子
1
1川崎市立井田病院脳神経科病棟
pp.1007-1011
発行日 1991年11月1日
Published Date 1991/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900499
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はじめに
単純ヘルペス脳炎は,従来,致死率の高い代表的な疾患の1つであった.しかし近年,早期治療法が確立されたため救命される症例が増加しつつある.本疾患はウイルス脳炎の中で最も発生頻度が高く,しかも,病気の経過中に極めて多彩な症状を呈する.そのため,本疾患患者の看護に際しては,疾患の特殊性をよく理解した上での対処が必要である.しかし,これまでにこの点について検討した報告は極めて少ない.
私たちは,当院において最近5年間に5例の本疾患患者への看護を経験した.これらの臨床経過を詳細に分析した結果,本疾患の看護援助においては,看護上の病期に対応した,きめ細かい対処が重要であると痛感したので,症例紹介と考察を加えて報告する.
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