PROFILE
稲岡文昭—精神保健看護学会設立準備に奔走する—『自由に語り,学び,実証し合う精神看護の学会を』
杉
pp.649
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900427
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- 文献概要
—最初に精神保健看護学会を設立するに至った動機をお話しください.
「いろいろあるのですが,大きな動機は心のケア(精神看護)を大切に実践している方,あるいは興味・関心のある方たちが集い,自由に議論し,学習し,心のケアの効果を実証する場を設けたいということです.職能団体ではなく学術団体ですので,精神看護とは何かを明らかにするとともに,その専門性を実証し,究極的には精神看護学の確立を図っていきたいと考えています.
その理由として,まず第1には21世紀を目前に控え,心の健康が大切にされなければならない時代でありながら,次の世代を担う看護者の専門教育のカリキュラムに精神看護学が包括されていないことです.この事実は,精神看護という領域は,特定の理論を基盤に特有な知識や技術・実践能力を必要とする一看護学の専門領域であるということを実証してこなかった結果だろうと思います.
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