書評
南條文昭 著―手診療マニュアル
塚本 芳久
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
pp.80
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106995
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本書は手の外科を志す若手医師のために入門書として書かれたものである.だが,リハビリテーション医学に携わる医師・療法士にとっても参考となる部分が少なくない.
まず,第1章「手の構造と機能」では手の解剖・運動学にかなりの紙面が費やされ,詳細な解説がなされている.しかもその内容は入門書といえども気軽に読み流せるものではなく,高度である.しかし,理解を助けるために豊富な図が用意されており,精読することによって一歩一歩着実に理解を深めることができるようになっている.従来の成書では記述が少なかった手根部や手背部についても詳しい説明がなされており,また遠位橈尺関節を連結する「三角ディスク」や手のアーチにおける「対立アーチ」,指の運動における「分回し動作」など斬新なアイディアの記述も多い.
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