学生の広場
看護における自己客観視の有用性—シュナイダーのカウンセラー範疇を用いて
鈴木 洋子
1
1盛岡赤十字看護専門学校
pp.624-629
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900423
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はじめに
私たちは看護援助する時,まず第1に患者を理解しようとする.しかし,どこまで患者を理解できていただろうか.また,その患者を1人の人間として見ていただろうか.ひと口に「患者を理解する」と言っても,理解の仕方には看護婦の人間性が出てくる.相手の立場に立って話を聴くことは,看護者として大切なことである.そして,その相手の話を聴くこと,つまり傾聴することが,相手を理解する方法の1つでもある.
E. C. ハインによれば,傾聴とは,「一個人として一個人に留意すること」1)と述べている.それは1人の人間として,患者という1人の人間の立場に立ち,相手が何を考え,話そうとしているのかを知り,看護婦としてそれに対して答え,援助していくことである.
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