連載 症状の起こるメカニズム[観察のポイント]・31
高血糖
橋本 信也
1
1東京慈恵会医科大学第3内科
pp.580-583
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900416
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血糖の調節機構
血液中に存在する糖は主としてブドウ糖glucoseです.その他には乳糖,ガラクトースなどがわずかに存在するにすぎませんから,血糖といえばブドウ糖をさしています.
健康人では血糖は100mg/dl前後に維持されています.これは血液に入るブドウ糖と,血液から出ていくブドウ糖が平衡を保っているからです.
血糖値は消化管からのブドウ糖の吸収,肝グリコーゲンの分解およびタンパク質からの糖新生でヒ昇します.一方,末梢組織における酸化(エネルギー産生),肝臓や筋肉におけるグリコーゲン生成や貯臓および脂肪組織における脂肪への転化などによる消費で血糖値は低ドします(図1).
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