連載 ケーススタディ[ナースのための心理的アプローチ]・22
「嘘だと言われたんですよ!でも本当に痛いんです」〈心因性疼痛〉に悩むMさんへの絶食内観療法
堀井 茂男
1
,
大河原 靖子
2
,
糸川 時子
3
,
渡辺 都貴子
3
,
石黒 則子
3
1岡山大学医学部神経精神医学教室
2岡山大学医学部付属病院精神科神経科
3岡山大学医学部付属病院
pp.946-949
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900225
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Mさんのプロフィール
生活歴:24歳,看護婦.3人姉妹の末っ子,長女は既婚で次女は婚約中,父は無口で,母は腰痛持ち.両親はMさんに家を継いでほしいと思っている.性格は明朗だが,気が変わりやすく,顕示的な面もある.
現病歴:18歳で看護学校卒業後勤めた医院が多忙で厳しく,1週間ほど発熱と全身倦怠で点滴治療を受けたことがある.23歳の春,某総合病院勤務時,夜勤が多く,過労気味となり,急に腰痛が出現した.一時的に軽快したもののすぐに再燃し,精査,加療の目的で当病院整形外科に入院してきた.軽い脊椎分離症はあるが,訴えに該当する所見はなく,また麻酔科にて神経ブロック,針刺治療などを施行したが著効なく,当科を紹介された.心身症(心因性疼痛)と診断され,各種精神安定剤使用,カウンセリングなど行なわれたが,心因についての洞察が困難であり,内観療法と絶食療法の併用療法(内観絶食療法)の紹介,導入を行なった.
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