Japanese
English
研究と報告
内観分析療法
Naikan-analysis
石田 六郎
1
R. Ishida
1
1石田医院
1Ishida Hospital
pp.478-484
発行日 1968年6月15日
Published Date 1968/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201347
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I.はじめに
さきに私は奈良県大和郡山市内観道場主吉本伊信氏の創案にかかる内観法を援用した短期(1週間)心理療法,内観分析療法を提唱したが1),その後追試をかさね本法が神経症や心身症,さらに悪癖の矯正に有効な療法であることを知つた。しかしながら,内観法が一定の精神的肉体的安定を必要とするところから1週間の内観に耐ええずして療法を中断するものも多く,本法を心理療法として広く適用するため原法になんらかの改善を加える必要性が痛感された。たまたま私はあわや内観中断かと思われた一患者に催眠法と自律訓練法とを併用することによつて内観を完遂せしめ,ふたたび1週間の治療によつてこの患者を10年来の入院生活から解放して社会復帰せしめることができた。この症例によつて内観と催眠との関係について多くを学んだ私は,さらに自律訓練法,催眠法,内観法の三法を合理的,能率的に組み合わせた組織的内観分析療法の体系を樹立し,これを各種の神経症や心身症に適用して,現在かなり満足すべき効果を得つつある。
以下内観分析療法の原法,混用法,組織法の症例と技法とを記述し,本法に対する若干の考察を加えてみたい。
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