Japanese
English
研究と報告
内観療法の研究
On "Naikan"-psychotherapy
洲脇 寛
1
,
横山 茂生
1
,
竹崎 治彦
1
Hiroshi Suwaki
1
,
Shigeo Yokoyama
1
,
Haruhiko Takezaki
1
1岡山大学医学部精神神経科教室
1Dept. of Neuropsychiat., Okayama Univ. School of Med.
pp.707-711
発行日 1969年9月15日
Published Date 1969/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201515
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I.はじめに
内観は,吉本伊信氏が,浄土真宗の身調べをもとに,断食,断眠などを除き,一般向きに改造したもので,これまで,主として矯正施設や学校教育で利用されてきたものである。われわれは,現在まで,精神科入院患者48人に内観を実施し,内観がいかなる構造を有し,いかなる展開をはたしうるものであるか,さらに,内観をいかなるかたちでとりいれるべきかを検討している。まえもつて適応を決めかねる現状なので,明らかな精神病状態や著明な痴呆をのぞき,かなり広範な症例に実施しており,性格異常や精神病質といわれる者に対しても,積極的に実施してきた。
そこで,初めに,われわれが内観を実施するさい問題となる点や留意した点について述べ,つぎに,アルコール中毒を中心に症例を検討し,われわれが内観について考えている事柄をできるだけ明らかにしてみたい。
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