特集 呆け老人・介護家族とともに10年—「呆け老人をかかえる家族の会」の歩みに学ぶ
「呆け老人をかかえる家族の会」支部活動レポート
もしもし……こちら「ぼけ老人てれほん相談」—東京支部における電話相談活動
笹森 貞子
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1「東京ぼけ老人を支える家族の会」東京支部
pp.770-775
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900186
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1980年9月「呆け老人をかかえる家族の会」東京支部は発足した.同じ年東京都福祉局により,痴呆性老人対策委員会が設置されており,翌年1月第7回委員会がもたれ,そこで「痴呆性老人をかかえる家族の実状報告」として,私の家庭介護経験を話した.その時,都に対する要望事項をいくつか述べたが,それらは1つを除いて順次実現した.実現の難しかった要望とは,「介護中は外出も困難であるから,電話で家庭介護経験者と話をしたい,実状をわかってもらうことで気も晴れるし,支えにもなる.ぜひそのような制度がほしい」という私のいつも考えていた願いであった.
その後,その要望がきっかけとなり,当時の委員長の三浦文夫先生や,はあと記念財団の援助を得て,東京都社会福祉協議会(以下,東社協)と家族の会の共催で,1982年7月,文京区にあった東社協の一室で東京支部の電話相談は実現した.
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