連載 こんな時のカウンセリング・13
先天奇形のある子供を持つ両親への援助
白井 幸子
1
1国立療養所多磨全生園
pp.390-393
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900104
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はじめに
「100の出産に対して2人の割合で,大奇形が発生する」1)と言われていますが,奇形を持った子供が生まれると,両親にとっても,また,そのお産に立ち会った医療スタッフにとっても,大変な打撃となります.しかし,奇形のある「子どもの誕生が,しばしば家族の重大な危機の引き金になる」1)と指摘されているにもかかわらず,この分野における日本での研究は少ないように思われます.
私自身は,臨床の場で先天奇形の子供を持つ両親と出会った経験がないのですが,都立豊島病院小児科に勤務する主人から,先天奇形の賢一くん(仮名)とそのお母さんについての話を何度か聞き,深く心を打たれたことがあります.そこでまず,この2人の話をしましょう.
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