学生の広場
疼痛のある悪性リンパ腫患者の看護—マッサージがもたらしたもの
佐藤 智子
1
1浜松市立看護専門学校看護第1学科
pp.374-377
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900100
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はじめに
疾患に伴う様々な症状の中で,最も患者を苦しめるものは,おそらく痛みであろう.その臨床的意味を考えた時,痛みは時として有害因子を身体に知らせる信号で,有益な意味を持つ.しかし,持続する慢性の痛みは,患者に絶え間ない苦痛と不快感を与える.また,いつまで耐えれば楽になるのか,といった見通しすら立たず,深い絶望感と不安を抱かずにはいられない状況に陥るのである.
特に癌患者には,病名告知の問題もあり,多くの場合,痛みの原因が知らされず,抑うつした心理状態になりやすい.癌性疼痛に対し薬剤による除痛を図ることはもちろんであるが,その効力のみに頼ることなく,患者の心理状態を十分に考慮した積極的な援助を行ない,心身両面からサポートしていくことが大切である.
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