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特集 リンパ節腫脹の臨床
腫瘍性疾患によるリンパ節腫脹
悪性リンパ腫
Malignant Lymphoma
大熨 泰亮
1
1岡山大学第二内科
pp.713-716
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900922
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■悪性リンパ腫はHodgkin病(HD)と非Hodgkinリンパ腫(NHL)に大別される.前者ではほぼ90%が上半身のリンパ節に初発するが,後者の初発部位は多様であり,リンパ節に初発するもの(節性リンパ腫)は50~60%にとどまり,節外性リンパ腫(J 1)が40~50%を占める.
■頸部リンパ節腫大を訴えるものが多いが,HDでは縦隔リンパ節腫大による呼吸器症状,NHLでは腹腔内リンパ節腫大による症状,さらに節外性リンパ腫では初発臓器特有の症状を現すので注意が必要である.
■悪性リンパ腫は系統的疾患と認識されているが,初診時に系統的に全身リンパ節腫大を呈するものはそれほど多くない.単一リンパ節領域のみの腫大を呈するものも多く,特にHDにおいてその傾向が強い.またリンパ節腫大が全身に分布する場合でも,その分布,大きさは左右不対称であり,初発と考えられる領域のリンパ節腫大が最も著しいのが通例である.
■発熱,体重減少,倦怠感などの全身症状を呈する症例は少なくないが,初診時に全身状態が著しく不良な症例に遭遇することは比較的まれである.
■リンパ節の増大速度は病理組織型,患者によりまちまちである.一般的にNHL国際分類(J2)の中および高悪性度群に属するものの増大速度は速く,低悪性度に属するもの,およびHDの増大速度は緩やかである.
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