特集 頸部腫脹の臨床
II.診断・治療
リンパ節腫脹
悪性リンパ腫
北原 光夫
1
Mitsuo Kitahara
1
1済生会中央病院内科
pp.785-791
発行日 1983年10月20日
Published Date 1983/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209673
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I.リンパ節の臨床
1.表在リンパ節
一般に表在リンパ節はおよそ5mm以下で,わずかな数のリンパ節がふれるにすぎない。あらたに触知できるようになったリンパ節で1×1cm以上のものは異常であると考えるのが妥当である。
リンパ節腫脹は,①何らかの抗原に対してリンパ組織が反応性に腫脹するもの,②化膿性あるいは肉芽腫性変化により腫脹したもの,③リンパ組織細胞の悪性変化によるもの,④リンパ組織内への転移性腫瘍増殖によるもの,などがあげられる。頸部のリンパ節が最も多くふれることができる(図1)。ことに若年の患者では後頸部のリンパ節や頸リンパ節はよくふれることができる。
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