特集 明日の看護を見つめて
新春随想
看護現場に言語療法を引きずり込んで
萱原 裕子
1
1東京労災病院
pp.43
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900016
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私の新春の楽しみは,元旦の朝,郵便受けに配達されます.友人や親戚からきたのに交じって“あったあった”患者さんからの年賀状.左手で彫った版画刷りのもの,墨跡あざやかなもの,そして近況を綴ったもの.どの1枚からも患者さんの声や表情が思い起こされます.返事を書きながら,今年はどんな出会いがあるだろうかとしばし思いを馳せます.
昨年6月に発表された失語症全国実態調査報告によりますと,昭和62年度に全国の病院や施設で,評価・訓練を受けた失語症患者は1万1612人でした.これは5年前の調査に比べ3割以上の伸びになります.高齢化社会になりつつある今日,患者数の伸びに加え,患者の高齢化・重度化は,病院の1室で臨床を行なっている私にも感じられます.
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