特集 明日の看護を見つめて
新春随想
痛みのケアで望むこと—専門的知識と技術を普段着の対応で
平賀 一陽
1
1国立がんセンター病院麻酔科
pp.37
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900010
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「医療は医学の社会的適応である」と定義付け,professional freedomの概念を提起したのは武見太郎氏でありました.この意味を看護の主体性を含めて考えてみます.
まず,専門的な医学知識と技術を身につける必要があります.痛みの治療の臨床の場では,時にプアな事例に出会います.例えば,制吐薬としてハロペリドール1.5mgの指示が5mgと誤投与され,患者の強い眠気も病態の悪化のためと思われていたり,止血剤入りのモルヒネ点滴と同じ静脈ルートから輸血を開始し,落ちが悪くなったので輸血だけにしたため,点滴内のモルヒネが投与されずに患者は痛みを訴えたことなど,枚挙に暇がないほどです.
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