連載 広汎性発達障害の理解と援助・2
社会参加を阻む意識の壁を乗り越える
細川 雅人
1
1大阪市城東区保健福祉センター
pp.412-415
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101332
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発達障害者支援法に基づいて,特別支援教育体制の整備が進みつつある。卒業後の就労支援は,ハローワークによる支援のほか,施設での訓練も用意されている。知的障害をともなう人については,知的障害者のための社会資源があり,少なくとも学齢期以前に広汎性発達障害をもっていることがわかれば,何らかの援助を受けることができる。
ところが,中高年以降でわかる人もいる。孤立したまま長い年月を過ごし,生活が破たんしてはじめて援助を求めてくる人も少なくない。発達障害者支援法の柱は,生涯にわたる一貫した支援であるが,その人たちが人間らしい生活を取り戻すには高い壁が存在する。その壁とはいかなるものか,また,どうすれば乗り越えられるのか。筆者の経験を踏まえながらそのことを考えてみる。
なお,取り上げている事例は,実例に基づいた架空の設定である。
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