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編集後記
鳥居
,
吉田
pp.826
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101323
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●出張で行った会津若松駅前に「ならぬことはならぬものです」という大きな看板がありました.地元の方に聞くと「会津の子供はみんな,こう言われて育てられるんです」とのこと.う~ん,すごい.何がすごいって,「ならぬ」理由にはまったく触れていないあたりが.「どうしていけないの?」という“子供の問い”を力技で封殺しています.
このフレーズは,「什の掟」という会津藩の頃から続く訓辞で,全文は次のようなもの.「一,年長者の言うことに背いてはなりませぬ」「二,年長者にはお辞儀をしなけれはばなりませぬ」「三,虚言を言うことはなりませぬ」「四,卑怯な振舞をしてはなりませぬ」「五,弱い者をいぢめてはなりませぬ」「六,戸外で物を食べてはなりませぬ」と来て,最後は(やはり理由は述べずに)「ならぬことはならぬものです」と締められていました.ついつい何事にも理由,言い訳を考えてしまう我が身を思わず省みてしまったものです.
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