特集 いい運動,悪い運動
「疾患と運動」にまつわる不安に答えます
「肺疾患と運動」にまつわる不安に答えます
横山 仁志
1
Hitoshi Yokoyama
1
1聖マリアンナ医科大学リハビリテーション部
pp.656-662
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101299
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はじめに
肺疾患は,呼吸器の障害によって安静あるいは労作時の呼吸困難感,低酸素血症を主症状として,患者のADL,QOLを障害する疾患です.慢性肺疾患では,“GOLD(The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)”と呼ばれる国際的ガイドラインにより,重症度分類やそれに伴う推奨されるべき治療が提示されています(図1)1).そのなかでリハビリテーションは,中等度(StageⅡ)から最重度(StageⅣ)の症例において推奨されるべき治療として位置づけられています.すなわち,我々,医療スタッフが携わる病院や在宅で何らかの呼吸器症状を呈する患者の多くは,リハビリテーション対象患者であり,運動が重要な治療となるのです.
しかしながら,重要な治療である運動も間違った方法や誤った知識をもとに実践すると,効果が見られなかったり,患者に不利益を及ぼすことにもなりかねません.そこで本稿では,肺疾患患者に対する運動療法の基本と,実際の治療場面で生じやすい問題について解説します.
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