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編集後記
鳥居
,
吉田
pp.620
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101294
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●最近知り合った,特養にお勤めの看護師さんから聞いた話.そこは特養のなかでも高齢の入所者が多い施設で,最高齢はなんと108歳のおばあちゃん,Mさん.「日本最高齢も目指せるかも?」というぐらい,まだまだ元気いっぱいの方だそうです.その看護師さんはMさんからの信頼があつく,毎日のようにMさんの話し相手になるのが日課でした.そんなある日,いつになく暗い顔をしたMさんがぽつりと口にした言葉が「私,もう人生が嫌になってきたよ」.〈私の倍以上生きている人からそんなこと言われても……〉と困惑しつつも,いつものように話し相手になったとのこと.なんだか妙におかしいような,怖いような話ですよね.でも,考えてみると,10歳だろうと100歳だろうと,「死んだことがある」人なんていないわけで,「死」は誰にとっても未知の出来事なんですよね.ちなみにMさん,次の日からはそんなことは忘れたように元気に過ごされているそうです.【鳥居】
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