--------------------
編集後記
鳥居
,
大野
pp.266
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101227
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
●特別記事「生きるための緩和医療」というタイトルにドキッとした人もいらっしゃるのでは? いわゆる「終末期」であっても,死ぬために生きているわけではない.死が訪れるときまで,ただ,生きる.当たり前のことのようですが,医療が高度化する今,難しい課題です.
特集は「自己治癒力」がキーワードでした.人間が本来持つ回復力,いわゆる「自然治癒力」から一歩踏み込んで,そうした治癒力の発露に人の主体性が深く関与しているという考え方が提示されていました.実際のところ,人の主体性がその人の治癒力の発露にどのように関係しているかは(わかっていることがあるとしても)未知数の部分が大きいでしょう.しかし,日々の実感としてこれを否定する人は少ないのではないでしょうか.意識しているかどうかは別として,生きようとする意志が人に眠る治癒力の発露にかかわっているとすれば,それを支えることは,これからの医療では大切な課題となるのでは?そんなことを考えました. 【鳥居】
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.