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編集後記
鳥居
,
大野
pp.174
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101211
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●頭と身体,という言い方があります.頭で考えるより身体を動かしたほうが早いとか,身体で覚えろ,とか.でも,よくよく考えてみると,脳だって他の内臓と同じく「身体」なんですよね.発生学的に脳と腸は近いという説もあります.「頭と身体の境界線」は,実際にはかなり不分明なのでしょう.
今号の鼎談で内田樹氏が「他人の頭を自分の身体に載せる」という話をされています.「知」が身体中のいたるところに偏在しているのだとしても,その性質には違いがある.クリアカットで有意味な「知」はやはり「頭」が作り出すものなのでしょう.しかし,人間の「知」全体がクリアカットなものだけでできているわけではない.特に看護実践のような,混沌とした人間存在の全体性を扱う現場では,頭が切り捨ててしまう「ノイズ」をつぶさに拾い上げる,文字通りの意味の「身体知」が求められるのではないでしょうか.【鳥居】
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