特集 戦争と平和
わたしの読後感「白の墓碑銘」を読んで
尊い死を無駄にしないために
梅本 朱未
1
1国立札幌病院
pp.37-38
発行日 1968年8月1日
Published Date 1968/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914080
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昭和20年の終戦の時はわずかに3歳の私は,戦争の苦しみといっても食糧物資の不足のことくらいしか記憶にないが,戦時中の写真や映画,ことに「原爆の子」や「広島」などでわずかに戦争の苦しみや悲惨な状態を知り,二度とくり返してはならないと感じていた。しかもそれが戦争体験者ならどんなに強く思っていることか。
にもかかわらず世界のどこかではいつも戦いが起き,多くの犠牲者を出している。ベトナム戦も,ここ数年アメリカが北爆を開始してからいよいよ激しくなり,残忍な死傷者の姿や,母親を見失った幼児が治療を待つ姿などを見ると,私たちをいやがうえにも戦争反対と叫ばせる。
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