調査・研究
視力回復が困難な事例へのロービジョンケア―自立心を支持するコーチングに焦点をあてて
桑畠 美奈子
1
1西葛西・井上眼科病院
pp.720-726
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101054
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はじめに
アトピー疾患による長い眼病歴があり,ラストアイ手術目的で入院したA氏のアナムネを聴取する機会を得た.不安の訴えはあるものの,その言動から強い自立心を感じた.また,年齢・独身・一人っ子・職業・両親との関係等,今後の生活を考えていくうえでポイントとなる点を把握した.そのため初日に,退院後の生活への不安に対するケアを立案し,自尊心・自立心を支えながら,今後の生活のイメージングができ具体的行動がとれることを目標とした.結果として,早期に自室内トイレ・洗面・食事,点眼,シャワー浴等の自立が実現し,社会資源の利用の理解も得ることができた.
そこで,A氏へのケアを振り返り,意欲の低下をみることなくリハビリテーションができた要因を文献と比較検討した.そして,A氏への声かけや提案が〈コーチング〉となっていたことを学ぶことができたため,ここに報告する.
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