特集 急性期で行なう 退院後の安心づくり
訪問看護師からの伝達 ②病院―在宅の垣根をなくすために
臼井 美幸
1
1(株)エムイーネット あすなら訪問看護ステーション
pp.866-869
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100776
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患者の不安は医療不信につながる
訪問看護をしていると,患者から入院していた病院に対する不信感をよく耳にする.それは,入院中になされたせっかくの治療も看護もすべて否定されるような残念な言葉である.このような思いが患者・家族のなかにあると,継続して看護にあたる訪問看護師にとっても,導入時から患者との関係づくりにつまずいてしまうことがしばしばある.病院側は在院日数短縮に必死.その陰に退院を「追い出される」「見捨てられた」と感じている患者の心情が隠されている.退院時に患者の病院に対する医療不信が起きないようにはできないものか.
本稿では,在宅療養患者の増加とともに増えるであろう,このような問題を解決するきっかけとして,訪問看護ステーション所属の訪問看護師の立場から,退院を迎える患者・家族のケアについて,病院看護師への要望を述べてみたい.
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