特集 急性期で行なう 退院後の安心づくり
退院援助での介護保険・医療保険活用
和田 忠志
1
1あおぞら診療所
pp.870-874
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100777
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はじめに
急性期病院において,さまざまな社会資源活用で退院円滑化をはかることはいうまでもない.この領域は,医療ソーシャルワーカーの領域と思われがちであるが,看護師が一定の知識をもつことで,ソーシャルワーカーとの連携が容易になり,より円滑な退院が可能となる.本稿では,介護保険と医療保険で得られるサービス活用について,退院援助の観点から述べてみたい.
退院援助で何が問題か
「ADL低下障害者の自宅退院」
退院援助で問題なのは,ADL(Activity of Daily Living)低下障害者の場合に尽きる,といっても過言ではない.逆に,歩行できる方の退院援助が問題になることは少ない.また,「転院」は本来の退院ではなく,別の医療機関での療養継続であり,さまざまな制度活用を行なうものではない.つまり,本来の退院は「自宅退院」である.そこで,本稿では「ADL低下障害者の自宅退院」について話を進めたいと思う.
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