特集 急性期で行なう 退院後の安心づくり
ストーマ造設患者の退院調整―ストーマセルフケアの早期確立を阻む問題と看護
矢吹 浩子
1
1兵庫医科大学病院
pp.856-861
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100774
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はじめに
ストーマ造設患者が安心して退院できるためには,患者または家族がストーマのセルフケアに必要な技術を確実に習得していることが必須である.しかし,診療報酬の度重なる改定で大学病院では平均在院日数の短縮が命題となり,早期退院の推進のために,ストーマセルフケアが確実にできなくても退院予定を指示することも少なくない.そこで看護師は,入院時から計画的に退院に向けたストーマセルフケア指導を行なうことが必要となる.
当病棟では,年間約60例のストーマ造設術を受ける患者の看護にかかわっており,そのうち90%以上が,複雑なケアを必要とするイレオストミー(回腸ろう造設術)症例である.その看護の経験から,本稿では,ストーマ造設患者が安心して退院を迎えるための援助について述べる.
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