特集 原因から見直す「ストーマ管理困難症」
なぜストーマ管理困難症に至ったのか?―困難事例にみる潜在的原因と予防策
②なぜ高齢患者のストーマのセルフケア確立は難しいのか
山田 陽子
1
1癌研究会附属病院看護部
pp.218-222
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100691
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はじめに
高齢化社会のなか,ストーマ保有者の高齢化も進み,誰がどのようなかたちで最期までストーマケアを行なうか問題視されているが,最近では,老年期になってストーマを造設するケースも増加傾向にあり,身体機能が低下している患者にどのようにしてセルフケアの確立を進めるかが課題となっている.
ストーマリハビリテーションの短期目標は,自然排便法・自然排尿法の習得,つまりはセルフケアの確立である1).一般的に高齢患者は手術侵襲の影響を受けやすく,その回復にも時間を要する.さらに近年,入院期間の短縮化がはかられているなかで,手術によって心身ともに影響を受けている状態の高齢患者が,短期間でセルフケアを習得するのは非常に困難な状況となっている.また,患者のみならず頼りとする介護者までも高齢化してきていることも,高齢患者のセルフケア確立を難しくさせる要因となっている.本稿では,老年期にストーマを造設した後に,セルフケア確立に向けてケアに難渋した症例を提示する.
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