特集 基本から見直そう! 感染予防6つのポイント
「尿道カテーテル関連感染予防対策」を見直す
坂木 晴世
1
1国立西埼玉中央病院
pp.443-447
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100716
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はじめに
尿道カテーテル(以下,カテーテル)は,その挿入から管理,抜去までを看護師が実践することの多い処置である.CDC(Center for Disease Control and Prevention:米国疾病予防管理センター)によると,尿路感染は,米国の急性期病院においてもっとも頻繁に発生する院内感染であり,全院内感染の約40%を占めている.そして,その中の66-86%が,尿道カテーテル関連の尿路感染(Catheter-associated urinary tract infections;以下CAUTI)である1).カテーテルという医療器具によって患者の自然のバリアは破綻し,いくつかの感染経路が成立し,感染のリスクが上昇する(図1).したがって,カテーテル管理の主な実践者である看護師は,CAUTI予防に重要な役割を担っている.
CDCは,1983年に「尿道カテーテル関連感染予防のためのガイドライン」を発表し,その中でカテーテルの挿入,管理に関する教育の必要性を強く勧告している(表).当院では,2002年に院内感染対策マニュアルを全面改訂し,これを機会にCAUTI予防対策の取り組みを行なった.ここではCDCガイドラインに基づいたCAUTI予防対策のポイントと当院での取り組みについて述べる.
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