巻頭カラー連載 ナースの安全を守るモノがたり⑤
抜針操作手順変更による安全性向上に配慮―針刺し防止安全機構付翼付針「セーフタッチPSV」
小堂 学
1
1ニプロ株式会社国内事業部・輸液検査商品営業部
pp.686-687
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100352
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翼付針への危険認識の高まり
1990年代半ば頃,わが国での職業感染防止気運の高まりとともに注射針類への安全機構開発の要望も強くなっていました.なかでも翼付針への安全対策要望は強いものがありましたが,これは翼付針が輸液セットに接続して使われることが多いために輸液完了後に抜針してから針を廃棄するまでの作業数が多く,患者穿刺部の止血処置を優先して廃棄作業を後回しにしたり,針専用廃棄ボックスへ針部分だけを切断して廃棄したりという不安定な廃棄処理が行なわれていた実態も関与していたものと思います.
また翼付針は穿刺や固定が難しい小児や高齢者に使われることが特に多いために,抜針する際に患者さんが予期せぬ体動をすることがあります.このことも他の針類に比較して針刺し事故発生の可能性が高い要素ではないかと推定しました.
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