特集 根拠あるケアで患者の苦痛を減らすために 手術の疑問を解決します
手術による侵襲を最小限に抑えるための看護
皮膚・神経障害
近藤 美穂
1
1飯田市立病院手術室
pp.706-707
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100339
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はじめに
手術を受ける患者は,全身麻酔により不動化を強いられ,手術中は同一体位で長時間過ごすことを余儀なくされる.手術中の体位は,術者が手術を行ないやすいことを重視して決定される傾向にあり,患者にとって必ずしも安楽な姿勢であるとは言いがたい.そのため,手術開始前の体位固定によっては,術後に皮膚障害や神経麻痺などの重篤な合併症を引き起こす可能性がある.
手術室看護師は,手術中の体位固定に責任をもち看護にあたることはもちろん,病棟看護師と患者の情報を共有し連携することで,術中の皮膚・神経障害の防止に役立てることができる.仮に何らかのトラブルが発生したとしても,すみやかに看護が継続され,術後の回復期の妨げにならないように対応していくことが重要である.
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