連載 DV被害者に看護師ができること・9
危険レベルの評価と介入
友田 尋子
1
1大阪市立大学医学部看護学科
pp.88-93
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100279
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受診した患者から「パートナーや恋人から脅されている,暴力を受けている」と明かされたとき,あるいは,客観的に見てけがの原因が人為的な暴力であると判断した場合,医師や看護師などの医療者は,けがの治療にあたると同時に,その患者の状況に関する危険レベルを査定し,安全計画を立てるべきである.これがDV患者への医療的介入である.
慎重な対応が求められる理由
これまでも述べてきたように,DV患者への介入には十分な配慮とスキルが求められる.「配偶者からの暴力防止及び被害者の保護に関する法律(通称「DV防止法」)」が施行されているとはいえ,患者がけがの原因を打ち明けた途端,警察に通報するといった行動は禁物である.これは,DV防止法第6条で,被害者本人の意思を尊重することが求められているからだけではない.「加害者が誰かということを他人に知られた」と加害者自身が知ったとき,被害者にとってもっとも危険な状態が生まれるからである.
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