特集 今そこにいる認知症の人たち 病院内で困らないための理解と対処の仕方
認知症高齢者への対応は家族とともに考える
小林 孝彰
1,2
1認知症ケア町田ネット
2東京工業大学
pp.1010-1012
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100213
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今年の3月13日に,町田医師会の主催で市民公開講座「認知症の正しい理解のために」が開かれました.その際,第二部のパネルディスカッション「認知症高齢者の尊厳を守るために」で,家族の立場からパネリストとして講演する機会を与えられました.本稿ではそれを基に述べます.東京工業大学に勤務しながらアルツハイマー病の母を看取った男の学習過程を,認知症看護に携わる方々に知っていただけるとありがたく思います.
認知症高齢者の尊厳とは何だろう?
認知症の人に対する時は,脳のすべての機能が損なわれているのではないことを知ったうえで相手をすることに始まると思います.いったん認知症と診断されると,もう人ではないような扱いをされることがまだまだあります.適切に対応しないどころか,世間から隠そうとしたり,施設に追いやろうとしたりする例さえあります.そうなっては,尊厳どころの話ではありません.
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