Japanese
English
TOPICS 神経精神医学
暴力への対応
-――司法精神医療の実践から
Management of violence risk
――From the view of forensic mental health services
五十嵐 禎人
1
Yoshito IGARASHI
1
1千葉大学社会精神保健教育研究センター法システム研究部門
pp.988-989
発行日 2021年6月12日
Published Date 2021/6/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27711988
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医療機関で起こる暴力には,さまざまなものがあるが,なかでも,患者による暴力は,他の患者や医療従事者の心身にさまざまな被害を与えるものであり,適切な対応が行われないと治療環境そのものを大きく損なうものである.幻聴や妄想に基づいて暴力をふるい入院となる統合失調症の人のように,精神科医療では,治療の対象となる精神疾患の症状に伴い暴力がみられることが少なくない.患者の暴力を予測し,適切な対応を行うことは,精神科医療における重要な課題である.とくに,わが国の医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)による医療のような司法精神医療においては,患者のリスクを同定し(リスクアセスメント),一般の精神科医療でも使用可能なさまざまな治療・支援の技法をシステム化して実施することにより,リスクを軽減していく(リスクマネジメント)実践が行われている.
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