連載 看護の未来を決めるのは誰?⑮
看護師の超高学歴化という選択肢
横江 公美
1
,
北浦 暁子
1PACIFIC21
pp.252-254
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100050
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「キープ・ラーニング」.ハーバード・ビジネス・スクールの教授陣が企業の管理者を対象とした再教育プログラムで繰り返す言葉である.「学び続ける」傾向は,看護の世界にも見られる.わが国において,この十数年間で看護系大学の数が10倍以上に急増したこと,修士課程や博士課程の開設が相次いだことは看護界でよく知られている事実である.
看護師として働きながら,もう一度大学に戻って勉強する傾向は,米国ではいっそう顕著である.米国看護師協会(ANA)が発表した統計によると,登録看護師(RN)のうち修士号または博士号の保持者は1996年の9.1%から2000年には10.2%に増加した.2000年のRNの数は,約269万人であるので,約27万人が修士号または博士号の保持者ということになる.米国では2003年に「看護師の専門再教育」に関する法案が通過し,予算の後押しを受けて,わずか4年で1.0ポイントの上昇すなわち,約2万7千人も増加していることは目を引く.まさしく,看護師の超高学歴化とでも言うべき状況が起こっている.
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