連載 悩めることも才能だ!―宮子あずさのお悩み外来③
患者「様」に違和感があるのはなぜ?
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.256-257
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100046
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患者「様」に違和感があるのはなぜ?
「患者様」という呼び方にとても違和感があります.病院全体で定めたことなので仕方なく使っていますが,なんとなく患者さんとの距離を感じてしまうのです.「患者中心の医療」の象徴のように言われていますが,医師が優位に立っている実態は変わっていません.単に呼称を変えるだけでは意味がないのではないでしょうか.また,医療はサービス業と言われますが,それだけではないような気がします.患者さんが求めているのは,ホテルで受けられるようなサービスなんでしょうか? 金銭のやりとりだけでは語れないかかわりが,患者さんと医療者にはあると思うのです.あれこれ考えていると,わけがわからなくなってしまいます.(27歳・女性)
あなたは大変勇気がある方ですね,世の中が,「これさえ押さえておけば,良心的な医療者と見てもらえますよ」と提示する「型」に異議を唱えるなんて.でも,実は宮子も賛成1票.「患者様」という言葉には,どうにもなじめません.ただ,一点違うところがあります.私の場合は「単に呼称を変えるだけでは意味がない」と総論的に言ってしまう気にはならないのです.
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