特集 女性と助産婦—新しいパートナーシップへむけて
産む側から助産婦さんへ
大病院で家庭的な出産に挑戦
筑井 千枝子
pp.292-295
発行日 1991年4月25日
Published Date 1991/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903277
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1人目のお産からLDRを選ぶまで
自分の力で,なるべく自然に子供を産みたい。そのためには栄養のバランスを考え,呼吸法やリラックス法を学び,妊婦水泳や体操などをして筋肉を鍛え,自分で自分の体をコントロールできるようにする。これが私の出産前の心がまえでした。こうして臨んだ一人目のお産は,私の意思とは裏腹に,自由を奪われた状態で行なわれました。
そこは個人病院だったのですが,分娩室はまるで手術室のようで,分娩台に上がるやいなや,ジェットコースターの安全ベルトのようなものが,ガチャンと肩からはめられ身動きができず,足は足台にもものつけ根から縛られ,お腹には監視装置のベルト,右腕には点滴の用意,口には酸素マスク,おまけに有無をいわせず目隠しまでされて,このどこが自分で産む自然なお産なのでしょう。ハイリスクでもないのに,医療的な管理ばかりが先に立って,産婦の気持ちをあまりに無視しているやり方に私は憤りを覚えずにはいられませんでした。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.