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特集 会陰切開
西バークシャーにおける会陰切開に関する検討
West Berkshire perineal management trial
Sleep. J.
1
,
千村 哲朗
2
1Maternity Unit, Royal Berkshire Hospital
2山形大学医学部産婦人科教室
pp.769-773
発行日 1990年9月25日
Published Date 1990/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903244
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概要
自然経腟分娩時の会陰裂傷を軽減する目的で,1,000例を対象とし,会陰切開術を2つのグループに無作為に分類,検討した。1つは,胎児側の適応から切開を制限した群と,もう1つは無条件で行なった群である。この結果,会陰切開術の実施は,10%(制限群)対51%(非制限群)であった。制限群での会陰部の無傷もみられたが,会陰部および陰唇の裂傷は多くみられ,5例の重症の創傷で4例は制限群にみられた。しかし,2つのグループ間での産後10日目および3か月後の新生児の状態,母体側の疼痛,尿路系の症状などについては有意な差は認められなかった。産後1か月以内での性交の再開率は,制限群では高かった。
こうした所見からは,産後の病的状態の減少のために,会陰切開を無制限に行なうか制限のもとで行なうかの是非についての,確固たる証拠はほとんど得られなかった。
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