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特集 証拠にもとづく助産ケア
西バークシャーにおける会陰切開に関する検討—3年後の追跡調査
West Berkshire perineal management trial: three year follow up
ジェニファー・スリープ
1
,
アドリアン・グラント
2
,
渡辺 邦彦
Jennifer Sleep
1
,
Adralan Grant
2
1王立バークシャー病院(リーディング)助産学部門
2国立ラドクリフ診療所(オックスフォード)周産期疫学部門
pp.313-317
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901915
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概要
自然経腟分娩時の会陰切開を制限したグループ(実施率10%)と制限しなかったグループ(実施率51%)に分けて行った無作為対照実験に参加した女性に対し,出産3年後に,質問紙に郵送して再度接触を図った。対象者1,000名のうち回答があったのは674名で,2つのグループ(制限群と非制限群)の間で回答率に目立った差はみられなかった。両グループでほぼ同数の女性がその後また出産したことを報告しており,そのほとんどすべて経腟の自然分娩であった。会陰切開を制限したグループの女性のほうが,次回の出産後に会陰縫合を要した者の数がすくなかったが,その差は統計的に有意なものではなかった。両グループで性交時痛と尿失禁が等しく報告された。尿失禁の発生率は,重症度,タイプ,および後続出産を考慮に入れても,やはり差はみられなっかた。
会陰切開術の自由な実施が,尿失禁の予防または長期の性交疼痛症の増加につながったとはかんがえられない。
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